劇場版ハゲタカ
公開初日に「ハゲタカ」を観た。テレビや映画と小説とでは、一部設定が異なるようだが、貪欲な資本主義に群がるファンドマネーの描き方は、相変わらずえげつなく、しかし欲望に正直だ。監督が将来を嘱望される、NHKプロデューサーというのもうなづける。青い目でも、褐色の肌でも、世界中がグリードイズグッドの原則で動いているのだから、特に日本人をホワイトナイトと描く必要もなく、特定の国や地域を敵視する必要もない。資本主義がナショナリズムと結び付くほうが、恐ろしいことになると歴史は教えてくれる。だからNHK作品なのだろう。この映画が例えば中国で受け入れられるとは、残念ながら思えない。アメリカでも無理かもしれない。ヨーロッパ特にイングランドやドイツで、どんな反響があるだろうか。またインドやUAEなど中東はどうだろう。「あぶく銭」と言い切ってしまう鷲津の台詞は痛快だが、ファンドマネーであるが故に、ファンドマネージャーは自らの良心や好き嫌いにかかわらず、ビッグマネーを追いかけざるをえない。成功報酬があるから、ひとはアクションする。それは例えばソーシャルビジネスの世界とは、相入れない。それを綺麗に描きすぎているのか、映画だからわざと鷲津の真意を「綺麗に」みせたのか。
サブプライムショックが映画のように、だれかが行き過ぎた資本主義にビジネスチャンスを見出だして仕掛けたなら、たいしたものだ。このマーケットで天文学的な利益をえているだろう。他方、大方の見方のように、自壊だとすれば受益者はいない。しかし、本当に自壊なんだろうか?
芝野が好きか嫌いかは別にして、経営陣をテーマにした映画をしばらく観なかった。夢を忘れた日本人に、なにかを伝えようと意図しているのだろう。その意図は伝わるだろうとわたしは思う。
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